ヤマハミュージック 横浜みなとみらい
MUSIC SHOWCASE ~展示コレクション~

ヤマハは1887年(明治20年)の創業以来、現在にいたる長い歴史の中で常に新たな挑戦を重ね、この間培ってきた技術、ノウハウと感性を活かしながら、人々の心に響く新たな価値を提案し続けてきました。
こうした挑戦の中で歴史に名を刻んだ数々の楽器、音響機器が誕生しました。MUSIC SHOWCASEでは現行品とあわせ、名器・名機と呼ばれるにふさわしい製品も展示しています。
鍵盤楽器・音楽制作
DX7
シンセサイザー/1983年
世界の音楽シーンを激変させたFM音源のデジタルシンセサイザー。現在の音楽シーンでも引き継がれているエレピサウンドやシンセベースサウンドなど、アナログシンセでは聞かれなかった多彩なサウンドに加え、カートリッジによる音色管理やMIDI端子の装備、液晶パネルによるディスプレイなど、当時の最先端技術をすべてつぎ込んだとも言えるDX7は、プロ、アマチュアの壁を越えて世界的な大ヒット商品となった。
DX7II-FD
シンセサイザー/1986年
第2世代DX7として登場したモデル。筐体をアルミ製にして軽量化を図ったほか、音源部分をデュアル仕様にして、より厚みのあるサウンドを作り出すことが可能となった。また、DX7ではアウトプットがモノラルだったのに対し、2系統ある音源それぞれにパンポットを装備してステレオ仕様としている点も進化している。3.5インチのフロッピーディスクドライブを搭載しており、汎用メディアにデータが保存可能となった。
SY77
シンセサイザー/1989年
アナログシンセと同等の挙動を可能にしたデジタルフィルターを採用。それにより、同機種搭載の2つのデジタル音源(AWM音源、FM音源)の表現力が倍増。それぞれ「AWM2音源」「AFM音源」というように名称も刷新された。シンセ16台分の表現力を持つマルチ・ティンバー機能、MIDIの全チャンネルを駆動できる16トラック・シーケンサーの併装も特長。
ギター・ベース
SG-2A
エレキギター/1967年
ヤマハ初のエレキギターは1966年4月に「S302」「S201」のモデル名で正式に発売されましたが、ほどなくその一月後に「SG-3」「SG-2」と変更しました。トレモロ・ユニット、ネック・ジョイント・システム、ピックアップなどに独自のデザインを採用し、初代モデルからのヤマハの個性と革新性を示すものとなっています。展示品は「SG-2」の後継機種で1967年に発売された「SG-2A」です。
FG180
アコースティックギター/1966年
1966年にギター部門を設立してから製造された記念すべきヤマハ初のアコースティックギターFG。海外製品を模したものでなく、人間工学に基づいた独自のデザインで開発されました。後に「赤ラベル」と呼ばれ人気となった赤いインナーラベルを採用したモデルです。ここから全てのFGの歴史が始まります。
管楽器・教育楽器
ヤマハ管楽器生産のルーツ「日本管楽器」(通称:ニッカン)製の金管楽器
ファンファーレトランペット
スライドトロンボーン No.20
フレンチホルン No.20
ヤマハの前身である日本楽器製造(通称:ニチガク)が1930年代から経営参画していた日本管楽器(通称:ニッカン)の製品改良に着手したのは1963年。当時の社長、川上源一社長は「やるからには、短期間で世界No.1を目指せ」と命じ、職人の経験頼りだったものづくりが行われていたニッカンの設計者をニチガクに集めて管楽器の研究・製造に本腰を入れ始めました。
ニッカンは1964年に東京で行われた国際的スポーツの祭典の主催者より要請を受けてファンファーレトランペットを製作。陸上自衛隊中央音楽隊により開会式で演奏されました。
加えて1964年6月の「ニッカン新製品」カタログに掲載された楽器の中から2本を展示しています。スムーズなスライドの動きが特徴のテナートロンボーンNo.20。そして当時ニッカンとして製作していた「フレンチホルン」は、現在主流のロータリーホルンではなくこのようなピストンホルンでした。
この2年後の1966年には、ヤマハ管楽器第一号となるトランペット「YTR-1」を発表。現在に至るヤマハ管楽器の歴史のまさに源流となる楽器たちです。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と共同開発「ウィンナモデル」
ロータリートランペット YTR-947W
ウィンナホルン YHR-601
フリューゲルホルン YFH-601W
「フォルティッシモでも弦楽器の音をつぶさない、やわらかく、あたたかい音色」を得るために、音程調整の難しさや操作上の不便さを厭わず昔ながらの「ウィンナモデル」を使い続けてきたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。しかし1970年代、現地では需要が限られる「ウィンナモデル」は商売にならないと製作から撤退する工房が続出。そんな中、白羽の矢が立ったヤマハが団員たちとの対話と数限りない試作を重ねて生み出した楽器たちの中から3本を展示しています。
詳しいストーリーは『こうして管楽器はつくられる【開発編】〜ウィーン・フィルを支えた管楽器開発の舞台裏〜』(発売元:ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)でお読みいただけます。
YTR-9445CHS(第1世代)特別生産品
トランペット/2005年
2005年にヤマハブランド管楽器生産累計1000万本を達成したことを記念して製作された、世界に一本のみ存在する仕様のトランペット。「世界中の一流オーケストラ奏者が満足する最高の楽器を作る」というプロジェクトの末に誕生したXeno Artist Model シカゴシリーズ YTR-9445CHSに特別彫刻を施した。金メッキ仕上げ。
ホームシアター機器・オーディオ機器
NS-1000M
スピーカーシステム/1974年
硬度と軽さ、剛性のすべてにおいて理想の素材とされながら、加工の難しさから幻と言われたピュアベリリウム振動板を採用した最初のスピーカーシステム。ワイドレンジで正確な音調、輝くような中高音の開放感とクリアネスは発売と同時に世界中で大きな反響を呼ぶ。1976年にはスウェーデン国営放送がNS-1000Mを公式モニタースピーカーに選定するなどプロモニターとしても信頼を集めた。1997年まで23年間にわたり20万台以上を販売するロングセラーモデルであった。
GT-CD1
コンパクトディスクプレーヤー/1991年
ヤマハ独自の設計理念「GT思想」(Gigantic&Tremendous)を受け継いだシャーシ設計と、ピアノフィニッシュ・ポリエステル塗装の外装仕上げ、音質重視の回路設計など、ヤマハCDプレーヤー製造技術の粋を集めた最高級モデル。高剛性を発揮する高密度パーチクルボード製のプレーヤーベースと、肉厚のアルミブロック、鉄アングルからなる筐体の二重構造を採用しています。またメカ部は、音質追求の結果、従来のフローティングシステムを排しシンプルなメカニズムのリジッド構造を採用。また各所に厳選された素材を投入しました。
A-1
ステレオプリメインアンプ/1977年
至上の音楽を再生するために、プリメインアンプとして備えるべき基本性能を徹底的に追求し、ヤマハの持つオーディオ技術を結集して完成されたステレオプリメインアンプ。開発にあたっては、ヤマハの技術陣と音楽体験とを総合して、回路構成から能動素子、非能動素子に至るまで充分な検討と解折が加えられました。高性能MCアンプの内蔵、カートリッジの実装特性の解明、SN比や歪率、過度特性の追求、豊富な付属機能などにより、音楽性豊かな透明度の高い音質を得ています。
YP-800
ターンテーブル/1974年
駆動モーターに12極24スロット・ブラッシュレスDCサーボモーターを採用したダイレクトドライブ方式の最高級ターンテーブルと、すぐれたトレーシングアビリティーを持つ高感度トーンアーム、共振を抑えた堅牢なキャビネットで構成され、加えて定評ある米・SHURE社の当時の最新カートリッジM75EM TYPE 2を装備した高級プレーヤーシステム。新鮮なキャストール(栓)仕上げとアルミダイキャストによるキャビネットは共振を抑えた堅年な構造をもっています。さらに、十分な肉厚のアクリルカバー、プレーヤー底部のパンチングメタル、特殊形状の大型インシュレーターやプレーヤー内部部品のフロートなど、外部からの有害な振動を抑えハウリングに強い設計になっています。
業務用音響機器
O2R
デジタルレコーディングコンソール/1995年
ベストセラーを記録したデジタルレコーディングコンソール。
AES/EBUやADAT、TASCAMなどの多彩なデジタルオーディオフォーマットに対応したI/Oカードを装着することでさまざまなニーズに応じた最適なレコーディング環境を構築できるオープン・アーキテクチャー設計を採用した。44chのミキシングキャパシティ、4バンドPEQやダイナミクスプロセッサー、インプットディレイ、内蔵エフェクト、オートミックス機能を搭載。世界中でプロジェクトスタジオやパーソナルスタジオが生まれるきっかけとなった。